旋盤加工は、1点を削る工具を使って円筒状の表面を作り出す切削加工である。対象物を1つの軸を中心に回転させ、軸に対して垂直に、
または軸方向に工具を接近させて削っていく。回転軸に対して垂直な面を削りだすことを「面削り (facing)」と呼ぶ。
軸に対して放射状の方向からの切削と軸方向の切削を組み合わせて表面を削りだすことを「プロファイル加工 (profiling)」と呼ぶ。
旋盤は工作機械の一種で、ブロック状または円筒状の素材を回転させ、研磨工具や切削工具を使い、回転軸を中心として対称な形状の物体を作る。
例えば燭台、テーブルなどの脚、ボウル、野球のバット、クランクシャフト、カムシャフト、軸受の台などの形状を作ることができる。
旋盤は、主軸台、往復台、心押し台の3つの部分から成る。主軸台の主軸には加工対象を固定するチャック装置があり、
3つから4つの爪で物体をしっかり挟む。主軸を高速で回転させることで、対象物を切削するエネルギーを与える。
古くは天井からベルトで動力を伝達していたが、最近の旋盤は電動機を使っているものが多い。加工対象物は主軸の先に回転軸方向に設置される。
往復台は回転軸方向に移動可能な台で、その上の横送り台で回転軸に対して直交する方向に移動可能となっている。
その上の刃物台にバイトという切削工具を固定する。往復台を回転する加工対象物の周囲で移動させることで切削工具が対象物の切削を行い、
必要な形状に切削していく。心押し台は回転軸方向に移動可能で、必要な位置に固定できる。
センタと呼ばれる工具で加工対象物を主軸台の反対側から支えることができ、切削工具で対象物の回転軸に対してなんらかの加工を施すこともできる。
旋盤では他に次のような加工ができるのか?
面取り: 円筒の角の部分を削る。
突切り: 軸に対して工具を放射方向から軸に向けていき、部品の一方の端を切り離す。
ねじ切り: 対象物にねじ(雄ネジまたは雌ネジ)を切る。
中ぐり: 回転軸に開けた穴を大きくする。
穴あけ: 対象物の軸にドリルで穴を開ける。
ローレット切り: 手で握る部分を意図して一定の斜交パターンを表面につける。
最近のCNC旋盤では独自に駆動された工具を使うこともでき、その場合は対象物自体は回転させない。
そのため、最近のCNC旋盤は単なる回転体以外の様々な3次元形状も作ることができる。
旋盤加工の対象とする素材は比較的柔らかい金属だが、硬い金属でも切削に時間がかかるだけで不可能ではない。
バイトの素材は切削対象の金属より硬くなければならない。生産性は対象の素材の種類とそれに対して可能な切削速度で決まる。
また、最終的な形状が複雑なほど時間がかかる。
2014年3月24日│ Category:未分類