炭素繊維とは?
炭素繊維はほとんど炭素だけからできている繊維といえます。
衣料の原料などでお馴染みのアクリル樹脂や石油、
石炭からとれるピッチ等の有機物を繊維化して、その後、
特殊な熱処理工程を経て作られる「微細な黒鉛結晶構造をもつ繊維状の炭素物質」です。
現在工業生産されている炭素繊維には、原料別の分類としてPAN系、ピッチ系およびレーヨン系があります。
生産量および使用量が最も大きいのはPAN系炭素繊維です。
日本の炭素繊維商業生産は1970年代初期からPAN系とピッチ系(等方性)で本格的にスタートし、
1980年代後期から異方性ピッチ系炭素繊維が加わり、国内メーカーが技術改良・事業拡大を図ってきた結果、
現在では日本の炭素繊維生産は品質、生産量共に世界一の実績を誇るに至っています。
炭素繊維は単独で使用されることはまれで、通常は樹脂・セラミックス・金属などを母材とする
複合材料の強化および機能性付与材料として利用されます。その優れた機械的性能(高比強度、高比弾性率)と、
炭素質であることから得られる特徴(低密度、低熱膨張率、耐熱性、化学的安定性、自己潤滑性など)を併せ持つため、
色々な用途に幅広く使われています。
今日はこのへんで。次回は特徴と性質を説明したいとおもいます。
2013年5月21日│ Category:Blog